| 著者: | 姫野 カオルコ | 
| 読み: | ひめの かおるこ | 
| 題名: | 『終業式』 | 
| 出版: | 新潮文庫 | 
| 発行: | 1999(1996) | 
| 読了: | 2001/06/04 | 
| 評価: | A: ★★★★★ | 
| 感想: | 高校の同級生が歩むそれぞれの半生を、手紙のやりとりで描く。手紙だけで世界を構築してしまい、またその仕掛けを活かしきっている。「そういう時ってそういうこと言う(する・した)よねー」という面だけ取り上げても、特定の時代によりそったところと普遍的な部分の両方が描かれていて素晴らしい。 残念なのは、恋愛話しがやや多いこと。姫野作品のテーマでもあるし、普通手紙に書くことといったら(結婚も含めた)男と女の話しだし、10代後半から30代後半を一つの大きな視点から切り取るとすればうってつけだし、原題が「ラブレター」だし、当然ではあるのだけど。 優子が悦子に書いた離婚へのコメントが秀逸。 |