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バンコク会議とは? にゅうずれたあ目次へ

「意見収集結果から見たJOCSへの問題提起」
(6)JOCSの事業
近藤 洋
JOCSの事業には大きく分けて3つ、ワーカーを中心とした海外活動と、国内諸活動、それから研修生・奨学金支援があります。この中で特に意見が集中したのはやはり海外活動についてでした。

〈ニーズと評価〉
JOCSでは相手国のキリスト教団体をカウンターパートとして、そこへ日本から人を送り出す派遣方式の援助形態が主流です。今もこの原則は変わっていません。その一方で第3回バンコク会議以降、JOCS独自のプロジェクトがカンボジアでスタートし現在まで継続されています。一つの事業としてこのプロジェクト方式はJOCSの歴史の中でも大きな変化でありましたが、これまでにどうも適切な評価がなされていないようです。次のような意見が出されています。
O 適切なプロジェクト・ファインディング、ニーズの把握、アセスメントが必要。
O カンボジア・プロジェクトの目的、成果、評価は?
O カンボジア・プロジェクトはパイロットケースなのか?
O 今後このようなプロジェクト方式を進めていくのか?
特にプロジェクトの適切な評価をされるべきとの意見が多いようです。
さてこのプロジェクトだけに限らず、カウンターパートへの派遣団体としてのJOCSを考えても、JOCSは本当にアジアの呼び声に応えているのでしょうか。海外協力団体として一つの事業を行うには1.ニーズの把握project finding 2.計画planning 3.実際の活動 activity 4.評価evaluation が必要と考えられます。しかしJOCSは1.のニーズを把握するシステム、あるいはデータの蓄積がありません。急速に社会情勢が変動する発展途上国において、積極的にそして的確
にニーズを把握し迅速に対応することは必要不可欠な要素といえます。アジアの草の根の人々に分け入って支えるにはもっともっとその人々を知る必要があるということです。またこのニーズは満たされたのか、あるいは現地ではどのような変化がもたらされたのか、先に述べましたように適切な評価を必要としています。

〈事業形態〉
事業形態に対して、様々な意見が出されています。
O 派遣形態として長期派遣だけでなく、短期派遣、緊急援助、国内派遣の必要性
O アジアに限らず、アフリカなど世界を視野に入れるべき。
O 日本国内の都市問題にも何かできることがあるのでは?
O 他団体・NGOとの連携が必要。
O 政府からの資金援助も考慮すべき?
O MedicalからHealthへ
今年度はアフリカのウガンダにもワーカーが送り出すことができ、アジアだけでなく世界へ事業が拡がっていると言っていいと思います。国内活動の充実、緊急援助への対応も叫ばれている中で、実際にJOCSはどこまで世界の病気、貧困、不平等に対応することができるのでしょうか。派遣する地域、期間、他団体との連携、資金援助の問題、数多くある事業形態の中でJOCSとしての力量capacityも見極め、ある範囲内で選択をしなくてはならないと思います。そのためにもまずJOCSとしてのミッションを明確にする必要があると思われます。ミッションがあっての事業、そしてそれ以上に草の根の人々と共にあるJOCSではないでしょうか。
ご指摘、ご意見お待ちしています。



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