▲ Top ページへ < △ Menu ページへ

基本スペック

諸元表

シャシー

項目 仕様 コメント・解説
型式 SC36  
全長 2050mm  
全幅 710mm  
全高 1155mm  
軸距 1430mm ライバルと比べてやや長めです。どうしても前後長が長くなるのが90度Vツインの欠点ですが、各社とも工夫をこらしてホイールベースを詰めています。Fire Stormの場合は目新しいサイドラジエターを採用していますが、ライバルほどは詰めていません。
キャスター角 24.5度  
トレール量 97mm  
最低地上高 135mm ごく普通でしょう。ただ、私は買ってすぐ段差乗り越えでアンダーカウル取付け部を割っちゃいました。
シート高 810mm 高めです。足つき性はシート高だけでなく、幅、特にシート前部の幅にも左右されるので一概には言えないんですが、身長が175cm以下だと両かかとが付かないでしょう。
車両重量 215kg リッターバイクとしては軽い方だと思います。ただ、重心が高いのでライダーにはもっと重いように感じられます。
乾燥重量 193kg
最小回転半径 2.9m 最小回転半径で回ろうとするときは、ハンドルとタンクの間に手を挟まないよう気を付ける必要がありますが、、、
タイヤ(前) 120/70 ZR17 国内仕様はフランス製のミシュラン(Macadam90X)を、逆輸入仕様は日本製のダンロップ(D207)を採用しています。
タイヤ(後) 180/55 ZR17
ブレーキ形式 前 油圧式ダブルディスク 効きそのものは悪くないんですが、握り代の大きさがやや気になります。キャリパーピストンのロールバックが大きすぎる感じです。
ブレーキ形式 後 油圧式ディスク あまり効かない上にタッチもそれほどよくはありません。
懸架方式 前 テレスコピック式  
懸架方式 後 スイングアーム式  
フレーム形式 ダイヤモンド エンジンをフレームの一部とみなして強度メンバーに利用するフレーム形式です。フレームマウント用ボルトの締め付けトルクで曲がり方が変わる、という記事を読んだことがあります。何がなんでもガッチリとめてしまえ、という作り方をしていないからでしょうね、きっと。

エンジン

項目 仕様 コメント・解説
エンジン型式 SC36E  
エンジン種類 水冷4サイクルDOHC4バルブV型2気筒  
総排気量 996cc ホンダのWebサイトによると総排気量は995cm3です。98×66×2=996だと思うんだけど、小数点以下の繰り上げ/切り捨てでしょう、きっと。
ボア×ストローク 98.0mm×66.0mm DUCATI 966、SUZUKI TL1000 とまったく同じボア×ストローク(つまり排気量も)。登場当初は「DUCATIのまねしたのでは?」「いえ、この排気量でこれだけの馬力を出そうと思うと自然とこの数値に収まるんです」という雑誌−メーカーのやりとりがありました。
確かに、Fire Stormのアイデアが煮詰められた時期(94年頃)は DUCATIのスーパーバイクレーサーが996ccになるより前です。真似したというよりは突き詰めた結果は一つだった、ということでしょう。
圧縮比 9.4  
最高出力 93ps / 8,500rpm 逆輸入車は 110ps / 8,500rpm。
最大トルク 8.7kgm / 7,000rpm  
キャブレター型式 VPT0 口径が48mmと超巨大です。ホンダの市販車中、最大口径とのこと。
始動方式 セルフ式 エンジンをかけるモーターのことを「セル」っていいますが、この「セルフ(式)スターター」からきています。
点火装置形式 CDI式バッテリー点火  
点火プラグ NGK DPR9EVX-9  
燃料タンク容量 16L 少ないです!オンロードのリッターバイクは20〜25Lくらいあるのが一般的なので、それと比べると以下にタンクが小さいかが分かります。170kmくらい走行すると燃料警告等が点灯します。リザーブもないので、早目々々の給油が欠かせません。『別冊 MOTOR CYCKIST』1998年11月号掲載の記事「追跡シリーズ188 ホンダ ファイヤーストーム」によると、燃費や積載性は、「VTRはあくまでもスポーツカー」ということで割り切って作った、ということです。
燃料消費率 22.1km/L<定地走行テスト値> この数字は、あくまでもメーカーの行なった「テスト」結果です。同じ場所を決められた速度で走りつづけた時の数値です。実際には、市街地や峠を走ると11-13km、ツーリングや高速道路で15-17km/lくらいです。
定地走行テスト速度 60km/h
潤滑方式 圧送飛沫併用式 漢字で書いてあるとものすごい原始的な装置にみえますね。オイルポンプで送るのと、飛んだり垂れたりするオイルで潤滑している、ってことです。
潤滑油容量 4.5L 市販のオイルは大抵 1L、4L、30L 缶というラインアップなので、DIYでオイル交換する人には具合の悪い容量です。
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング 国内仕様は極普通ですが、逆輸入車はパワーに対応するためスプリングが硬くなっていて、クラッチはめちゃくちゃ重いらしいです。
変速機形式 常時噛合式6段リターン  
変速比1速 2.733 変速比とは、エンジンが1回転するときに、前のスプロケットが何回転するか、という数字です。
変速比2速 1.812 これはもうちょっと高くして欲しかったですね。低速コーナー(市街地の左折を含めて)では、1速だとギア比が低すぎてギクシャク、2速だとエンジンがついてこずにギクシャク、ととても中途半端です。
変速比3速 1.428  
変速比4速 1.206  
変速比5速 1.080  
変速比6速 0.961  
1次減速比 1.681 74/44 ギア 1次減速比は、エンジンの回転数をどのくらいの割合でミッションに伝えるか、という数値です。
エンジンが1.681回転すると、ミッションの入り口側が1回転する、という意味になります。
2次減速比 2.562 41/16 チェーン 2次減速比は、ミッションで変速した後の回転数をどのくらいの割合で後輪に伝えるか、という数値です。
ドライブ・スプロケットが2.562回転すると、ドリブン・スプロケット(リアタイヤ)が1回転する、という意味になります。数値が大きければ加速型の性格に、小さければ燃費重視型の設定になります。
2次減速比は、前後のスプロケットの歯数を変えることで比較的簡単に変えられます。ドライブ・スプロケットの歯数を16から15に落して2次減速比を 41/15 = 2.733 にしているオーナーも多いようです。

【参考資料】
Webサイト
雑誌
「追跡シリーズ188 ホンダ・ファイアーストーム」『別冊モーターサイクリスト』 1998年1月号(No.251) p.197-210
「ホンダVTR1000F:詳細解説とサーキット試乗」『バイカーズステーション』 1997年3月号(No.114)p.16-27
書籍
和歌山利宏 『図説 バイク工学入門』 グランプリ出版 1994年

▲ Top ページへ < △ Menu ページへ

(C)YAMA, Yoshinobu 1999