| 著者: | 佐野 眞一 | 
| 読み: | さの しんいち | 
| 題名: | 『東電OL殺人事件』 | 
| 出版: | 新潮社 | 
| 発行: | 2000 | 
| 読了: | 2000/11/16 | 
| 評価: | C: ★★★ | 
| 感想: | 当時、あの事件を扱った週刊誌の中吊り広告に比べたら、はるかに良心的な書ということは分かるが、鋭く事件に切り込んではいない。 焦点が、被害者渡辺泰子の心の闇と被疑者ゴビンダの冤罪と警察のいいかげんな捜査と日本のいい加減な刑事裁判、、など散慢になっており、どれも堀下げられていない。 全ての現場に足を運ぶ、という姿勢は評価できるものの、足を運んだ現場では下手な感傷に満ちた独白ばかり。 著者も後書きで触れているが、事件発生から判決が降りるまでの3年間の間に神戸の小学生連続殺人事件(酒鬼薔薇)、和歌山の毒入り砒素カレー事件、新潟の少女監禁事件、埼玉の連続保険金殺人事件、、、などなどが次々と起きていて、僕の殺人に関する感覚が麻痺してしまっている面もあるだろうけど。 |