著者: | 真保 裕一 |
読み: | しんぽ ゆういち |
題名: | 『ホワイトアウト』 |
出版: | 新潮文庫 |
発行: |
読了: | 2000/11 |
評価: | B+: ★★★★ |
感想: |
山を愛し挑んできたダム保守管理員の主人公。冬山で無謀な登山者を発見し上司の制止を振り切って捜索に出かけるが、親友を亡くす羽目に。そこに、その親友の婚約者がやってくる途中、ダムはテロリストたちにダムジャックされてしまう。 なかなか読ませるし、突拍子もない話の割には非現実感(そんなことがおきるのは小説の中だけだよねー、といううそ臭さ)もない。自然の脅威、とくに冬山の人知を超えた恐ろしさに関しては丁寧な描写。 主人公の葛藤などはよく描けていると思う反面、テロリストたちの人物造詣が浅く、いかにも的。安っぽいテレビドラマ。主人公と並んで重要な役割を果たす、一風変わったテロリストの一員がとてつもなく中途半端。彼の復讐心が全然迫ってこない。 |