著者: | 中山 可穂 |
読み: | なかやま かほ |
題名: | 『聖家族―サグラダ・ファミリア―』 |
出版: | 新潮文庫 |
発行: | 2001(1998) |
読了: | 2001/12/24 |
評価: | B+: ★★★★ |
感想: |
生涯でただ一人愛した人は、遺児を自分に残して逝ってしまった。 自分のアイデンティティともいえるピアノに再び命を吹き込んでくれた彼女の死と師匠との再会、遺児の父親の友達や最愛の人の甥たちとの出会い。それでも疼く体。 思いのままにならない世の中の些事、大事と向き合い傷つき立ち直る主人公の姿に好感。 既存の家族という枠に縛られた人たちの狭さ浅さと、主人公たちが作り上げようとしている新しい家族の姿は逆にかすんでしまい、タイトルと心に響いたテーマがずれてしまっていた。それが残念。 |