著者: | 恩田 陸 |
読み: | おんだ りく |
題名: | 『球形の季節』 |
出版: | 新潮文庫 |
発行: | 1999(1994) |
解説: | 小谷 真理 |
読了: | 2002/01/01 |
評価: | B: ★★★★ |
感想: |
とある東北地方の、眠ったような、眠ったふりをしているような町で起きる学園ホラー。 次々と現実化する不気味な噂の背景に潜むその筋の人たち(異界に行けてしまう人たち)と、その筋ではない、でも何か世の中には人智の及ばぬ世界があると承知している人たち、何も感じないで噂やおまじないにのっかってしまう人たち、それぞれの悲喜こもごもが恩田らしい温かさと冷静さ、突き放した感じで描かれる。 小谷真理の解説は少々時代がかっている(ポストモダンな感じ)けど、恩田作品を日本に根付いたファンタジーという観点から整理してくれて魅力的。 |