著者: | 川上 弘美 |
読み: | かわかみ ひろみ |
題名: | 『神様』 |
出版: | 中公文庫 |
発行: | 2001(1998) |
受賞: | ドゥマゴ文学賞受賞 |
解説: | 佐野 洋子 |
読了: | 2002/01/04 |
評価: | B+: ★★★★ |
感想: |
登場人物をみるとおとぎ話なのに、ちゃんと読むとゾッとしてホッとする不思議な不思議な物語を集めた短編集。 川上は、沈黙を描くのが上手い。二人で並んで少し話をしていて、ふと会話がとぎれた後の沈黙。 最初と最後にくまが出てきて、その他の作品には何か分からない(語られない)けどそこにいて「匹」と数えられる生き物とか、人魚とか、ちょっと怖い異形のものたちが登場する。この生き物(?)たちと人間との「やりとり」ではなく、会話のない間(ま)が描かれる。 佐野洋子の解説も当意即妙でよし。 |