著者: | Hoving, Thomas |
読み: | トマス・ホーヴィング |
翻訳: | 雨沢 泰 |
題名: | 『にせもの美術史』 |
出版: | 朝日文庫 |
発行: | 2002(1999/1996) |
読了: | 2002/04/03 |
評価: | C+: ★★★ |
感想: |
メトロポリタン美術館の館長も務めたホーヴィングによる贋作を巡る様々なエッセー。 自身がだまされた経験も含む、有名美術館や世間を長い間騙しつづけた作品に関する薀蓄がいっぱい詰まっていて愉快な読み物。 曰く、「贋作をつかまされる原因は Need, Speed, Greed」「偽者は本物が持っている迷いのなさを持っていない」。なるほど。 おかしいのは、贋作、レプリカの歴史は古代ローマの時代にすでにあったため、2000年前の作品が2500年前の作品のコピーであったり、ルネッサンスの時代に作られた作品が古代や中世の作品の出来のいいレプリカであったり、「時代考証を間違ったのであって偽物とは言い切れない」といった存在があるということ。うーん... |