著者: | 斎藤 純 |
読み: | さいとう じゅん |
題名: | 『風と旅とオートバイ―ツーリング・シーン12章―』 |
出版: | 広済堂文庫 |
発行: | 2002(1999) |
読了: | 2002/04/11 |
評価: | B: ★★★★ |
感想: |
オートバイに関わるさわやかな短編12編。ほとんどは雑誌『OutRider』が初出。 バイクの登場する小説というと思い浮かぶのは、片岡義男、高千穂薫、花村萬月といったところかな。斎藤の小説のいいところ、これらの作家と違うところは、過度にバイクならではの世界を強調しないところ。 タイトルとは裏腹に、徒歩や自転車で旅をしている人々が登場し、うち一章では主人公が徒歩。「この世には二種類の人間しかいない。バイクに乗るやつと乗らないやつだ」といった世界観を持っている人はイライラするかも。 それは逆に欠点にもなるけど、軽く気晴らしに読んで「うん、せっかくバイク持っているんだし、ちょっくら旅に出よう...というわけにも行かないからツーリングキャンプに出かけよう」という気にさせてくれる。 謎解きになっている物語も多いので、それももう一つの楽しみ。 |