著者: | 辻 仁成 |
読み: | つじ ひとなり |
題名: | 『サヨナライツカ』 |
出版: | 幻冬舎文庫 |
発行: | 2002/07(2001/01) |
読了: | 2002/08/21 |
評価: | C+: ★★★ |
感想: |
作者にとってはprivateな側面もあって思い入れたっぷりなのかもしれないが「愛に苦悩する全ての人に」という惹句には疑問。奥行きも深みもなくありふれたLove storyに過ぎない。 若かりし頃、熱にうなされたかのように愛したあの人が60才になった今も忘れられない。しっかり者で妻としても母としても申し分のなかったこの人よりも。... 陳腐。 一点だけ良かった点をあげるとすれば、その妻となる人に言わせたセリフかな。 「あなたは死ぬ時、どちらを思い出す? 愛したこと? 愛されたこと?」セリフ自体はこれまたありふれているものの、誰が誰にどんな状況で言うか、という点でニクイ演出あり。 文句を言うわりには一気に読んでしまった。 |