著者: | 北村 薫 |
読み: | きたむら かおる |
題名: | 『ミステリは万華鏡』 |
出版: | 集英社文庫 |
発行: | 2002/09(1999) |
解説: | 山口 雅也 |
読了: | 2002/10/19 |
評価: | C: ★★★ |
感想: |
いくら好きな作家の作品でも、エッセイはやめておこう、と改めて思った。北村さんのミステリに対する愛情、思い入れがたっぷり詰まったほほえましい本ではあるけれど。 心に響く言葉はあった。こういった真摯な姿勢が行間ににじみ出いているから北村薫っていい。ある作品を読んだときの衝撃をこう表現している。 ミステリという手袋は、こんなものだと思って手にはめていた。暖かく心地よく、外界を遮断するものだと思っていた。ところが、それを目の前で、くるくると返されたような気になった。気づかなかった裏地が見えると同時に、ミステリに覆われていた筈の自分の肌が、次の瞬間には、外界の空気に否応無しに触れされされていた。(P.89-90) 同時に読み進めていた『文豪の古典力』との重なり合いが妙にしっくりきた。源氏物語への言及の仕方と、型は枠ではなく、作者のオリジナリティを制限するものではないという画についての指摘が重なりあっている。 |