著者: | 司馬 遼太郎 |
読み: | しば りょうたろう |
題名: | 『城塞―中―』 |
出版: | 新潮文庫 |
発行: | 1976/12(1972/01) |
読了: | 2003/02/16 |
評価: | C+: ★★★ |
感想: |
だんだんこの小説独自の世界にも慣れてきた。 大人物も小人物も、人はみなその人の器の大きさに従って難局にあたる、その時の対応がまたその人を変えてゆく。 これが著者のテーマと見た。そうであれば納得がいく。あまりに多い登場人物、その誰にも視点を固定せず前後左右上下に切り替わる著者の視点、波乱万丈の時代背景、どちらかといえば劣勢に立たされる豊臣側に重心をかけたスタンス、高まりつつある徳川のにらみと面従腹背の外様大名たちの葛藤という舞台設定など。 テレビに例えれば、実況中継と解説を一人で兼ねてしまうという節操のなさ(つまり僕の好みではない)にもしばらく付き合ってみるか。 |