| 著者: | 菜摘 ひかる | 
| 読み: | なつみ ひかる | 
| 題名: | 『恋は肉色』 | 
| 出版: | 光文社文庫 | 
| 発行: | 2000/02 | 
| 読了: | 2003/05/25 | 
| 評価: | B: ★★★★ | 
| 感想: | これまた感じることと考えることをテーマに読んでみた。 著者は執筆当時現役の風俗嬢。
プライベートでなら絶対にやりたくないしやらないことでも、お金をもらう限り全然問題ないという。働くということは、お金をもらうかわりに時間や労力や筋力やアイデアや手間を提供することだ。風俗の場合、それが性器であったり少しばかりの人格であったり演技であったりするけど、それ以上でもそれ以下でもない。プロフェッショナルとはそういうものだ --- 単なる割り切りではない職業意識/職人意識を持って働いていると主張する著者。 文字面を素直に読んでいけば「やっぱりね」ということになる。何だかんだ言っても愛のあるセックスが大事なんだ、と。ところが著者は本文のなかでさんざんお客さんを気持ちよくさせるためなら、報酬があるかぎり何でもすると言っている。この本自体が精神の風俗であるのに、著者がそれを仕掛けてこないとは思えない。「風俗嬢もやっぱり普通の女の子なんだ。」こう思った読者は次回から彼女(の本)を指名買いする。思うツボとはこのこと。やっぱ頭いいな。 それとも単に深読みしすぎ? |