| 著者: | 江國 香織 | 
| 読み: | えぐに かおり | 
| 題名: | 『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』 | 
| 出版: | 集英社文庫 | 
| 発行: | 2003/06(2000/04) | 
| 読了: | 2003/07/16 | 
| 評価: | B: ★★★★ | 
| 感想: | 九人の女性の恋と愛と結婚と日常をオムニバス形式(とも違うけどそれに近い形)で軽やかに描く。 相手を愛しいと想う穏やかな感情も、日常のふとした仕草が気に入らないいらだちも、離婚を決意するまでの葛藤も、全て同じトーンで描写されつつその瞬間その人物ならではの一瞬のきらめきが鮮やかに浮かび上がる。さすが名手江國、とうならざるを得ない出来の良さ。 でも「出来は良いけど薄っぺら」という印象が否定できない。テクニックだけが磨かれて中身がおいてけぼりになっているのではないか。どんどんそういう江國香織の印象が強くなっている。 |