| 著者: | 松山 巌 | 
| 読み: | まつやま いわお | 
| 題名: | 『噂の遠近法』 | 
| 出版: | ちくま学芸文庫 | 
| 発行: | 2003/08(1993/02) | 
| 読了: | 2003/08/22 | 
| 評価: | B+: ★★★★ | 
| 感想: | 噂やデマには「事実ではないが、だからこそかえって真実を表している」側面がある。明治、大正、昭和の噂をとりあげ、噂に寄り添いながら時代を描いて見せる。 圧巻は関東大震災のときの「自警団」。混乱時の相互扶助、朝鮮人殺害などを行えるのはある程度整った組織だけだ。しかしこの時期にそんなものが? あったのだ。それが大東亜戦争時の隣組につながっていく様を描く。 ちょっと前に流行って廃れてしまった社会史の良質な遺産とでもいおうか。 |