著者: | 中島 義道 |
読み: | なかしま よしみち |
題名: | 『<対話>のない社会―思いやりと優しさが圧殺するもの―』 |
出版: | PHP新書 |
発行: | 1997 |
読了: | 2003/09/21 |
評価: | A: ★★★★★ |
感想: |
うるさいだけで誰もちゃんと聞いていない駅のアナウンスや呼びかけの看板。私語はするけど質問はゼロ、注意すると逆切れする大学生。これらの根っこにあるものは「対話」のなさだという。表面上の言葉のやりとりとは別に真意を察して先回りし合う日本のコミュニケーションのデメリットを挙げ、明示的な言葉による見通しのよいコミュニケーションを呼びかける(同じ著者による『日本のうるさい私』はそれを行動に移すとどうなうるかという実践編)。 「対話」とは直接的なフィードバックのあるコミュニケーション。著者が本著で批判している日本型コミュニケーションにもメリット・デメリットはあり、特定の背景を経て成立してきたものであるとは思うが、現代の日本においては確かに害のほうが大きいように思える。 |