単コロの魅力は比較的安価にカスタマイズが行えるところ。バイクをD-Trackerに代えたので、以前からあこがれていた高性能キャブレターに換装することにしました。選択肢は、ミクニのTMRかケイヒンのFCR。FCRなら33φか35φか。
D-TrackerやKLXに関するWebで検索し、どれがいいのか調査してみました。だいたい、下のような情報が入手できました。
- TMR
- ミクニのTM発展系。
- D-Traker用キットは34φ。
- スロー系とメイン系が独立しているため、きっちりセッティングがだせる。逆に、素人にはきっちりセッティングがだせないかも。
- 中開度はニードル(クリップ段数やテーパーなど)よりもニードルジェット(のサイズ)で行うことになるため、ちょっと大掛かり。
- ヨシムラのMJN(Multiple Jet Needle)というさらなるパワーアップ・レスポンスアップオプションもある。
- ボディサイズが小さいため、ぎりぎりではあるが干渉なしに取り付け可能。
- FCR
- ケイヒンのCR発展系。
- D-Traker用キットは33φ。ただし、KLX用に35φが出ている。ラフ&ロード、ビトーR&Dなどがキット販売している。
- ラフ&ロードのキットはニードル形状がちょっと特殊で一般には入手しにくいものらしい。
- 33φと35φの違いはボディサイズ。33φ以下はスモールボディ、35φ以上はラージボディ。D-Tracker、KLXではセルモーターに干渉してしまうため、33φが標準。
- 両方の口径を試した人たちのインプレッションは「ピックアップのよさ、加速感などは33φがベストマッチ。最高速や292ccなどボアアップしたエンジンとのマッチングであれば35φがベター。」というもの。
- ユーザが多いことから、パーツ(消耗品、セッティングパーツ)、ノウハウ、データの入手しやすさはTMRと比較にならない。
将来的にはボアアップを考えているため、FCRの35φに決定。
セルモータの干渉という制限がないKLXのキックモデルには35φが用意されていることからも、元々のマッチングは35φがよいのではないかという予想もありました。
ラフ&ロードの「KLX250SR/ES キックモデル用」キットを購入しました。キットの内容は下記の通り。
- FCR35φ本体
- 取付説明書(ラフ&ロード製、白黒コピー)
- ジェット(MJ: 138, 132 / SJ: 50, 45) 本体にはMJ:135, SJ:48が装着済み。
- エアースクリュー
- セッティングマニュアル(ケイヒン製、カラー)
- ノーマルエアクリーナーボックス用アダプタ
その他、KLX300用の冷却水パイプを追加で購入。
取付けはお世話になっているバイク屋 B-Box にお願いしました。あちこちに干渉して一筋縄ではいかないだろうということが分かっていたため、冷却水の経路を変更する必要があるため、の二点から「どうせセッティングの際は自分で取り外しするんだし、勉強と思って初回はプロに頼もう」と考えたからです。結果的には正解でした。
取付けは結構大変でした。
- 斜めに取り付け。有名な話ですが、アクセルワイヤーホルダーがフレームと干渉するため、本体はサイドスタンドを立てたときに垂直になる角度で取り付けます。
- 上下方向にも大きくなるため、上側はメインハーネスを迂回させた上、タンクの後ろを留めるボルトはワッシャー(プラスチック製、厚さ3mm程度)を一枚重ねて浮かせる必要がありました。下側はセルモーターとわずかに当たっているようなので、ゴム(チューブの切れ端)をはさんであります。
- 左右方向では、加速ポンプとエキパイの間がギリギリなので断熱材をエキパイに巻いてもらいました。
- キャブウォーマー(温まったエンジン冷却水をキャブレターに通してガソリンの気化を安定させる装置)が使えなくなるため、経路を変更する必要があります。お手軽なのは、キャブへとつながるパイプを取り外してそのままエンジンへつなげてしまう方法です。ヤスさんのWebに詳しい説明があります(5.アイシングラインを変更する)。取付説明書の指示もこの方法ですが、僕はすっきりさせたかったのでKLX用のパイプに入れ替えました。エンジン側には、銅ワッシャをかませてボルトで栓をしておきます。
- エアクリーナーは、L字型のダクト(通称ブタ鼻)を取り外します。これは取付説明書の指示通り。
- アクセルワイヤーは、引き側のみになるため戻し側を取り外します。これも取付説明書の指示通り。
スロットルストップスクリュー(アイドリング調整ねじ)は本当は車体左側に出すはずなんですが、上手い取り回しがわからなかったので変則的に右側へ取付けています。信号待ちで腿にあたるのでちょっと邪魔。もう一度マニュアルを見たら付属のナイロンバンドで留めろと書いてありました。