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バンコク会議とは? にゅうずれたあ目次へ

★第2回バンコク会議★
第2回バンコク会議はJOCSの活動が割合順調になってきている時期に行われていて、激論が戦わされたという印象は議事録からはあまり受けません。しかし、このバンコク会議の前には1978年からJOCS基本問題研究集会が開かれており、1980年には有識者を交えてJOCS基本方針審議会が開かれています。第2回バンコク会議はこの内容を色濃く反映しているように思います。かなり内容のある「第2回バンコク会議宣言」と「開発途上国医療協力への要望書」を作ることができたのは、準備委員の努力もあったと思うのですが、この基

基本問題研究集会、基本方針審議会の働きが多いのではないかという印象を持ちました。
○議題については
・P&Pの確認・見直し
・コミュニティーヘルスの方向へ
・協力の解釈
・草の根の人々と共に生きるということ
○議論の出所
・JOCS基本問題研究集会
・JOCS基本方針審議会

第2回バンコク会議宣言 はこんなものでした…..。
われわれは第1回バンコク会議後10余年を経たこの時点で、再びバンコクの地に集い、今後の10年に向けたJOCS活動の基本理念について熱心な協議を重ねた。 そして出席者全員で以下の事項を確認した。

1. この10年を省みるに、南北較差は益々拡大し、発展途上国内における貧富の懸隔も増大しつつある。 われわれの遣わされているアジア諸国においても、なお大多数の人々が健康な生活を確立できないでいる。 こうした現実を変え、人々が自立できるようにJOCSはその協力活動をコミュニティー・ヘルスの視点にたって推進する。
2. JOCSはコミュニティーのニーズに応えようと努めて来たが、努力をすればするほどその底深いニーズを真に把握することの困難を痛感せざるを得ない。
ニーズとは静的なものではなく、動的にとらえるべきであり、ニーズなければ協力なしという考えは、自己の思いを絶対化し、一種の傲慢に陥る恐れがある。 協力すなわち分かち合うことは無限に続くべきものである。
3. プロジェクト設定について原則は必要であるが、それがあらゆる場合にそのまま妥当する者とは考えない。 むしろ原則の適用可能性を検証するための対話こそ重要であり、JOCSにおいてはそれが可能であると確信する。
4. ワーカーを根底において支えているのは使命感である。 とはいえ異なった文化圏で働く者にとって決定的に重要なことは、真のニーズに応じてつくり変えられてゆく柔軟性である。
5. ワーカーが任地で働いて行くためには受け入れ側の歴史・文化・宗教などを学び、尊敬できるようになることが基本的に重要である。 この事を通してワーカー自身が変えれられ、ワーカーが変わることによってそのワーカーを支えようとしている人々が変えられてゆき、それが日本人が変えられてゆくための証しとなることを願う。
6. JOCSは今後も相手国キリスト教団体の要請に応じ、その働きに参与するという従来からの原則を守り、相手組織の弱さをも含めて共にその重荷を負い続けてゆくべきである。
7. われわれは相手国の草の根の人々と共に生きようとするが、共に生きえないという現実に直面し苦悩する。 しかしその苦悩の中にも神の祝福を見ることを感謝する。 草の根の人々を尊重するというとき、それは決して相手を絶対化することを意味せず、互いに神の求め給う方向に変えられてゆくよう祈り求めることである。
8. われわれは主の助けを信じつつ力を尽し上記の目標を実現すべく努力するが、全ては神の御手の内にあることを信じる。

1983年1月4日 タイ国ワンケオにて

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